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24.12.1. わたしとPIANO DUOのはなし

一昨日は石井彰さんとわたしのDUOでのLIVEがありまして、それはそれは素晴らしい音楽の時間だったわけですが、
そういえば、このこのPIANO DUOという演奏形態 、JAZZミュージシャンになってから今日までずっと続いているような気がして。今となっては知る人ぞ知る感じであろう、わたしとPIANO DUOの軌跡を、松本圭司さんとのPIANO DUOアルバム「TETE-A-TETE Ⅱ」をリリースするこのタイミングで、ちょっと振り返ってみようかなと思います。思い出せなくなる前の備忘録とも言えます。。

●1990年代
わたしがフルタイムミュージシャンとして活動を始めたのは1997年、27歳くらいの頃からなのですが、当時はPIANO DUOのLIVEは全然やってなくて、初めてPIANO DUOをやったのは1998年の公式初録音作品CD『ジャズ新選組』(KING RECORD)で、斉藤真理子さんとDUOでレコーディングした「Tenderly」だったような。
(YouTubeにありました…)

四半世紀の月日を経て聴いてみると、今とそんなに変わらないような気も… わたしのPIANO DUO「初めて」のお相手の真理子姐さんの演奏、素晴らしいです。

この頃から毎月出演していた宇宙一小さいJAZZスポット高田馬場「HotHouse」では、オーナーのアキさんブッキングにより、故・本田竹広さんのような偉大な先輩とのDUOの夜もあったりして、音楽的に右も左もわからなかった当時の自分には勿体無い貴重な機会だったなあと。もう叶わないけれど、いまの自分でもう一度ご一緒させていただき、もっと多くのものを学べたらと思うこと、よくあります。

●2000年代
ミュージシャン業に専念するようになって8年、2006年にわたしのデビュー作品「Swingroove」(ユニバーサルミュージック)を発表することが出来たわけですが、そこに1曲、PIANO DUOを収録しました。このCD全曲で弾いてもらった早間美紀さんとの「思いがかさなるその前に」(平井堅)です。(YouTubeにはありませんでした…)

この演奏はアルバム唯一のソプラノサックス曲なんですが、これがソプラノとピアノのDUOの初めての演奏だった気がします。その翌年の2007年、クリヤマコトさんが音楽監修した映画「富嶽百景〜遥かなる場所」で2曲、クリヤサンのピアノとDUOをさせていただきました。


ウチの父は、わたしの録音モノのなかでこのCDでの演奏が一番好きだと言っております。豆知識。

●2010年代
六本木にあったJazzClub「Softwind」のオーナー松木さんより「石井彰さんとのDUOをぜひウチでやってください」とオファーをいただき、この頃から定期的にやらせていただくようになりました。DUOの記録は残ってないのですが、ドラムのセバスチャン・カプティーンが参加した夜の映像がありました。渋い…

また、2010年、日比谷公会堂での「Summer Jazz」というフェスティバル主催者様の発案によって組まれたユニット「5Cats」(鈴木央紹ts 太田剣as ハクエイキムp 日野賢二eb 大槻KALTA英宣ds)での活動で意気投合したハクエイさんとDUOで全国あちらこちらへツアーするようにもなり、PIANO DUOでの活動の巾も広がってゆきます。

高田馬場HotHouseでは大槻KALTA英宣さんとのDUOが毎月の定例となっていましたが、PIANO DUOの日もあって、いろんな方々とご一緒させていただきましたね。
これは新澤健一郎さんとの回↓

この頃、六本木の全日空ホテルのラウンジで熊谷ヤスマサさんと定期的にPIANO DUOで出演していて、Wayne Shorterの曲とかWynton Marsalisの「Delfeayo's Dilemma」とかおよそラウンジには似つかわしくない曲を「スタンダード研究会」と称してソフトに演奏していたのはとても楽しい時間でした。そんななか、サックス専門誌「The Sax」より付録教則CD用に「NewYork State of Mind」をDUOでお願いしますとの依頼をいただき、熊ちゃんと録音しました。流石にYouTubeにUPされてないですね。w

有楽町のJAZZ BAR「季立」では吉岡秀晃さんと、相模大野「ALMA」では若井優也さんや佐藤浩一さんと。そして本厚木「Cabin」や銀座「No Bird」成城学園前「Cafe Beulmans」では今日の「TETE-A-TETE」へと繋がる松本圭司さんとのDUOをやらせていただいてました。

●2020年代

2018年に20年ぶりに再会することが出来た和泉宏隆さんと、2019年からPIANO DUOをやらせていただくようになり、鎌倉「Space-kaj」や本厚木「Cabin」、桜木町「Dolphy」などに出演しました。

その流れで、わたしの15年ぶりのリーダーアルバム「Songs from the Heart」(SCRAMASAX RECORDS)は和泉さんに全曲参加していただき、和泉さん作曲「Love Ballad」はDUOでレコーディングしました。デビューアルバム「Swingroove」同様に、リーダー作品に1曲はPIANO DUOを入れる人、みたいになってますね。w

同じく2021年に初作品をリリースしたユニット“k.a.t.”(秋田慎治・土井孝幸・太田剣)での定期的な活動や、平賀マリカさんのトリオでの演奏をきっかけに最近は秋田慎治さんとのPIANO DUOの機会も増えています。

この頃、茅ヶ崎のJAZZ BAR「Storyville」のオーナー菅原さんからのオファーで始まったスガダイローさんとのDUOでは、さらにこの形態での演奏の地平が拡がるような内容となって、いろいろ開眼することも多いですね。


そして2022年、全編PIANO DUOによる作品「TETE-A-TETE/太田剣&松本圭司」(SCRAMASAX RECORDS)リリース。録音もアートワークも、全て松本さんわたしが担当した「二人だけで(TETE-A-TETE)」というこのPIANO DUOは、なんと言いますか、四半世紀、演奏を続けてきて朧げながら見えてきたわたしの音楽的スタンスとやりたいことを、まるでエスパーのような洞察力と圧倒的なクオリティでササっと音にしてしまう松本さんとの胸のすくような共同作業なんですが、もうすぐリリースされる「TETE-A-TETE Ⅱ」ともども、作ってきた新曲を二人で一度通してみるリハーサルなどしてなくて。「このくらいのテンポで、ソロはどちらからで、終わりはこんな感じで…」というあっても無くても大差ないような作曲者からの軽いディレクションのみで、いきなり録音しながら演奏→「良かったかも」と採用しているので、どの曲も殆どファーストテイクなんです。エスパー松本、凄すぎですね。。

そして2024年、用賀にある「工房花屋」のオーナー鈴木さんからのオファーで石井彰さんと10年ぶりのDUOが実現しました。あの頃より、少しはマシになったのか、なってないのかわからないわたしの演奏も、石井さんのピアノと音を重ねると途端に浄化されてゆくかのような、そんな貴重な機会をいただけて嬉しい限りです。

そんなわけで、ざっと25年のわたしとPIANO DUOの軌跡を書き記してみました。
2024年12月13日、先行リリース「TETE-A-TETE Ⅱ」レーベルオンラインストア限定でご予約受付中です。


下記のツアー会場でもご購入いただけます。

●12/17(火)桜木町「Dolphy」
●12/18(水)静岡「Lifetime」 
●12/21(土)神戸「Gallery Zing」
●12/22(日)名古屋「Mr.Kenny's」

わたしとPIANO DUOのこの1枚。
聴いていただけたら嬉しいです。

24.12.1.  わたしとPIANO DUOのはなし_e0038558_01144767.png

by ken_ota | 2024-12-01 22:52
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