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09.05.19 オーチャードホールでジムホールを

09.05.19 オーチャードホールでジムホールを_e0038558_220109.jpg 聴く。

『ジム・ホール最後の“アランフェス協奏曲”withストリングス』
という謳い文句や、右→に掲載したジャケットに
強く反応してしまう、かというと、
残念ながら世代違いで、そうでもないけれど
もちろんアランフェスは知ってるし
ジム・ホールは好きだし
好きなアルト奏者グレッグ・オズビーは参加だし
ということでいそいそとオーチャードホールへ。

体調も微妙と噂される御大ジム・ホール78歳は
車椅子を押されてステージ中央に登場。でも元気で明るい。
セッティングされた他楽器を尻目に1曲目はなんと、ソロ。
ミュージシャンやジャズファンのよく知るスタンダード曲
09.05.19 オーチャードホールでジムホールを_e0038558_3332663.jpg『All the Things You Are』なれど、
メロディ以外の部分は随分デフォルメ。
ソロでなければ出来ないその音楽展開に
ジム・ホールの境地を垣間見る。
そして2曲目、ロン・カーター(bass)登場。
座ったままのジムに長身のロンが身を屈めて抱擁するその姿に
音楽に身を捧げた二人の人生と、お互いへのリスペクトと
『Alone Together』のジャケットが見えた。涙。
ジムとロンがユニゾンするテーマ部の安定感は
ジムの技量の充実を示していて
このコンサートが懐古的なもので終わらないことを暗示していた。

3曲目でグレッグ・オズビー(alto sax)ジェフ・キーザー(piano)
スティーブ・ラスピナ(bass)テリー・クラーク(drums)登場。
グレッグの『Invisible Hand』は、
09.05.19 オーチャードホールでジムホールを_e0038558_3343247.jpgジムとアンドリュー・ヒル(piano)の世界感が同居するという奇跡を
余す所なく音にした名盤。ジムがこうして自らのプロジェクトに
グレッグを起用しているのも頷ける内容が聴ける。
クインテット登場でいきなりバラード『Chelsea Bridge』。

(ここまで書いておいて今更ですが
 ネタバレにもほどがあってつくづくスミマセン。
 ただ、個人的に素晴らしい今夜のことをずっと鮮明に憶えていたいのと、
 一人でも多くの人にこの素晴らしい音楽を直に聴いてもらいたいのと、
 ジャズマンだし曲は日によって違うかもしれないし、ということで
 敢えて書いてます。これから聴きに行くんですという方は
 読まずにスルーしちゃってください。)

メロディを吹き出したグレッグのアルトの音色に思わずのけぞる。
この感覚は…紀尾井ホールで『スカラ室内管弦楽団』のアルト奏者、
マリオ・マルツィの音を聴いたあの時に似ている。(07.07.24【NOTES】参照)
音を含んだ空気の塊が飛んでくるこの感じ。
グレッグは今、最も美しい音を出すアルト奏者の一人だと思う。
その点で、かつてポール・デスモンド(alto sax)が吹いた
“アランフェス協奏曲”をグレッグが吹くことにかなり納得。
美しい音色でアトラクティブなフレージングというアプローチは
ジムとグレッグの共通概念と言ってもいいかもしれない。

オーチャードホールでのコンサートだけれど、
そこはジャズのライブらしく、休憩を挟んで2nd Set開演。
15名のストリングスとの共演も、いわゆる王道的なムード的なものではなく
やはりかなり考え抜かれた感じのアレンジもの。
ジムとストリングスのみでの、平和への祈りの表現はとてつもなく深かった。

09.05.19 オーチャードホールでジムホールを_e0038558_335012.jpgそして最後の曲、ついにアランフェス。
さすがにもう、何も書くまい。

鳴り止まぬ拍手。ジムのアンコールはなんと、
友人ソニー・ロリンズ(tenor sax)の超有名曲…セ○○・○○○ス!(カタカナ)
ジムとロリンズといえば『橋』→
からの選曲かな?という深読みを反故にするほどベタなれど
人に優しいとはこういうこと…と思うところへ
ジムのなんとも挑戦的なロング・ソロの凄さに唖然。

落ち着くことなど、目指していない。
エフェクターをいじりながら様々な音色で
縦横無尽にソロを展開するジムは楽器に夢中になる子供のように
純粋だった。
メンバー全員が去ったステージを
後から遅れて車椅子でゆっくり去るジムを
満員の聴衆がスタンディングと賞讃の拍手で見送る。
それはきっと彼が人生を懸けて生み出した音への、感謝の拍手でもあったろう。

ホールから出て渋谷の雑踏に身を委ねても
さっきまでの貴い時間を思う気持ちは消えなかったけれど
現実に戻ったからか、空腹を感じて
でも、いま自分の中にあるこの気持ちを、落とさず、撹乱せず、薄めない
そんな食べ物を、と、
ひとり鰻を食してみたり。鰻は正解だった。

ありがとう、ジム・ホール。
by ken_ota | 2009-05-19 03:35

09.05.11 70年組の邂逅 -《GW vol.2》

09.05.11 70年組の邂逅   -《GW vol.2》_e0038558_18233915.jpgGW中盤は、南青山『Body&Soul』で
Tommy Campbell(ds)バンドでのライブから。
初代メンバーだった岡崎好朗(trumpet)さんとの
2ホーンフロントや、オルガンの河合代介さんの
マスターミュージシャンぶりが炸裂したいいライブでした。
若きトランペット・マスター岡崎さんの慧眼は凄くて、
今回、教わったこともまさに目からウロコだったなあ。
河合さんが語ってくれた、楽器と向き合う人生の姿勢にも
これまた凄く感銘を受け、真に望む何かについて、
より深く考えるきっかけを持てました。
この夜は、自分もこの道を極めようと深く思った大事な夜。

翌日、横浜『MotionBlueYokohama』で
平賀マリカ(vocal)さんのCD発売記念ライブ・ファイナルでした。
マリカさんのライブで感じる、ステージと客席の温度感の近さは
いつも素晴らしく、この日も店内全体の優しい雰囲気のなか、心地よく吹かせてもらいました。
今月末の浜松ジャズ・ウィークでは小沼ようすけ(guitar)クンのバンドに参加するので
マリカさんとはすれ違いなんですが、その先のまた次回を楽しみにしています。

そしてGW中、唯一となってしまいましたが
太田剣“SWINGROOVE”@関内『KAMOME』。
安富祖さんのツアーでも活躍してくれた菱山正太(piano)クンと、
小泉“p”克人(bass)クンのコンビネーションがお気に入りで、
二人のセンスを活かしつつ、新たなサウンドに挑戦することに
毎回やりがいを感じていて、この夜もそれはバンドをいい方向に導いていた気がして、
いいライブだったと思います。
自分自身も、核はブレずに自らをUproadしてゆくきっかけでもあり、
こういう挑戦はずっと続けてゆけたらいいな。

カレンダー的にはGWは終わっていましたが、
気持ちそのままに、先週金曜は目黒『BluesAlley』で、
クリヤマコト(piano)さんの“Rhythmatrix”にゲスト出演。
クリヤさん・コモブチキイチロウ(bass)さん・安井源之新(percussion)さんの
鉄壁のコンビネーションの凄さが圧倒的で、楽しかったー♪
名人3人プラス、宮川剛(drums)さんと僕、でのライブは
万華鏡のようにいろいろな顔を見せ、
その熱くて立体的な空間に、僕自身酔っているような、
そんな感じでした。また参加してみたい素晴らしいユニットです。

そして個人的2009GW最終ライブは鎌倉『Daphne』で。
村井秀清(piano)さん、鈴木正人(bass)氏、大槻カルタ英宣(drums)氏と
これまた鉄壁の布陣かつ、鎌倉ならではの温故知新なニュアンスを取り入れた、
会心のライブになりました。いらしてくれた皆さんどうもありがとうございます。
同世代なのに、バックボーンが意外に異なる4人が組み合わさって
創る音楽は、どこへでも向かってゆける自由な雰囲気があって
一緒に演奏してて感じる呼吸感など、ここにはいいものがあるなと思うんです。

僕とカルタ氏は同じ70年生まれなんですが、
安富祖さんのツアーで一緒だった
石成さん・坂井ラムジーさん・よしうらけんじさんも、
クリヤさんのライブで初共演した宮川剛さんも、
皆、同い年だったのでビックリ&嬉しかった。
石成さん情報によると、数年前に口コミでつながった70年生まれが一同に会した
『70年組の会』が催されたとか。次回は僕も出席したいなあ。

さて今週は高田馬場で恒例のサックス・ドラムDUOライブや
僕のCD“SWINGROOVE”でピアノを弾いてくれた早間美紀さんとの
ライブがあります。よかったら聞いてみて下さいね♪
by ken_ota | 2009-05-11 18:23

09.05.11 10年後の感覚 -《GW vol.1》

09.05.11 10年後の感覚   -《GW vol.1》_e0038558_170464.jpg豚インフルエンザ情報の蔓延で
審査の増えた海外への入出国とか
休日高速道路料金の一律化で
長蛇に長蛇を重ねた大渋滞とか
今年のゴールデンウィークは昨年までとは
異なる様相を呈していたようで
僕の方も、そういう外的要因による変化ではないですが
いささか趣の違う、ゴールデンが如く充実した活動で
ちょうど今、その余韻が来ているような感じです。

安富祖貴子(vocal)さんのツアー初日、
仙台『VILEVAN』は初出演のJazzClubでしたが
マスターの、全てを包み込んで押し流すような
強烈に明るいキャラクターにミュージシャン一同ヤラれまして、
その人柄が浸透しまくっている朗らかなお客さま達を前に
演奏中も店内は空前絶後の盛り上がり。
以後、仙台に来てここに寄らないわけにはいかないですね(笑)

09.05.11 10年後の感覚   -《GW vol.1》_e0038558_1547543.jpg翌日、盛岡『NONKTONK』。
僕が自分のバンドで初めて関東以外で演奏したお店なんですが、
それは10年前のこと。
教会のように響く荘厳な音像の気持ちよさは
今も変わらず。マスターとママさんの優しさも変わらず。
今回新たに持ち込んだ曲も確かなカタチとなって
皆様に届いた様子でとても嬉しかった。
終演後にお店の壁の一番高い所にサインする
渥美幸裕クン(guitar)の写真・左下の方にある
10年前の自分のサインの右下にもう一度サインしていて
脳内のフィルム10年分が早送りでよみがえった
この気持ちは一口では言い表せないほどの
感慨深さでした。またここに来れたらいいなあ。

よしうらけんじ(perc)さんと渥美クンと別れて
安富祖さんと菱山正太(keyboard)クンと僕は
盛岡から飛行機で名古屋入り。
“SFKUaNK!!”仲間の石成正人(guitar)さんと、
石成さんとともに平井堅さんの『Ken'sBar』にも参加する
坂井ラムジー秀彰(perc)さんと合流。
名古屋『BlueNote』での演奏後は
カルタ“Vertical-Engine”ツアー後に『燃えた』
火鍋でまた燃えて大満足。その勢いで翌日の銀座『Swing』、
翌々日の関内『BarBarBar』のライブも
09.05.11 10年後の感覚   -《GW vol.1》_e0038558_1744122.jpg盛り上がってツアーは終了。聞いてくれた皆さん、
どうもありがとうございました。

新たな仲間と結成した新たなバンドで臨んだ
最初のツアーという感じで、
ここまでのカタチを作り込む経緯とか
そのために新たな楽器に挑戦したりとか
いろいろプレッシャーもありましたが、
結果とても楽しかったし、
今後の展開に向けての新発見もあったのでよかったです。
この安富祖さんのプロジェクトの次回ライブは7月。
さらに進化した内容をお届けできると思いますので、
またぜひ聞きに来てもらえたら嬉しいです。
by ken_ota | 2009-05-11 16:37