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15.2.27 色褪せない記憶

2015年。もう6分の1が過ぎ去ろうというところにきて
月日の経つのはこんなにも早いものかと思いつつ
また久々にBLOGを書いております。

この2月は6年ぶりに盟友、小沼ようすけ君と二人でツアーしました。
そんなに経ったかな?と思うほど6年前のことは記憶に新しいのだけれど
いざ一緒に音を出してみると「おや?」と感じることも多く

それはひとえにお互いが自分の音楽の道を前に向かって進んだ証と納得出来る
良い意味での違和感でした。

ちなみに6年前はこちら

僕が小沼ようすけに感じる最大の魅力の一つは
自分の個人主義を多くの人と共有できること。

その感覚、アイデア、サウンド、全てが彼自身の極めて個人的なものでありながら
彼はいつもそれと
そこにいる人、その場所、そこにある空気、そこにある意味を
調和させることに全力を注いでいる。

「ひとりで見る夢はただの夢
 みんなで見る夢は現実になる」
と言ったのはジョン・レノン。

人、動物、自然、自分と真摯に向き合って
この言葉を具現化している
そんな彼の素晴らしさをあらためて感じた良いツアーでした。

こんな書き出しだからといって
懐古趣味に陥っているわけでも
私的リバイバルブームが来ているわけでもないですが
10年ぶりにオフィシャルウェブサイトをリニューアルしてみました。

素敵なページを作ってもらって10年。
今、新たにここを訪れてくれる方々に
10年前の自分の写真で「はじめまして」もないだろうと
重い腰をあげてみると
とある奇縁に気づきました。

先週2月22日(日)TV地上波 日テレで放送された
「-心の都へスペシャル- 千年の都 美の旅人」に出演し
女優の栗山千明さんを前に
京都の仁和寺を背に1曲、自作の曲を吹いておりまして 
今週3月1日(日)2:00pm〜3:00pm BS日テレでその再放送があるのですが

以前出演したドイツ車「Audi A4」のCM番組が放映されたのが
ちょうど10年前の同じ3月、同じBS日テレだったのです。
なんと奇遇な。否、こうなると偶然ではなく必然のような気もしてくるから不思議。

ちなみに10年前はこちら

Audi A4を駆って少し大げさにリズムをとりながら(笑)
外苑をぐるぐると何周も走ったり
関内KAMOMEの入り口に乗り付け
振り向きざまに「Let's Groove! 」(←棒読み:苦笑)と言い放って店内に入った
そんな撮影のことも意外と記憶に新しいのだけれど
それから10年目の御縁。

今回「心の都へスペシャル」では「桜の記憶」という書き下ろしの自作曲を演奏しました。

西の都はかつての都。いまも、いつまでも変わらない心の都。
月日とともに万物は流転し
色々なものが新たにお目見えするかわりに
いつまでもあると思っていた多くのものが消えてゆく。
でも自分の心から、記憶から大切なものが消えてゆくことは無くて。

桜を意識したのはいつからか。
学生の頃に公園でベンチに座って本を読んでいた自分に
背後の上の方から
風に吹かれて舞い散ったたくさんの桜の花びらを浴びたとき
特に何をというわけでもなく
自分が何か祝福されているようだと感じたあの時からかもしれない。

それから毎年なにかしらどこかしらで見ていた桜の花の
咲き始めるとき、満開のとき、そして散りゆくときの記憶を
脳裏によみがえらせながら音の調べにしました。

先月撮影で京都に行った日のことも
かつて桜にハッとさせられた日のことも
同じように心にあり続ける色褪せない記憶。

この日曜日は
長い年月の時間を超えて共存する記憶を一つにする音と調べを
TVでご覧いただけたら幸いです。

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# by ken_ota | 2015-02-27 17:55

14.11.17 ハッピーなビジョン

週末の二日間続けて出演した関内「KAMOME」。
昨日はその10周年を祝うスペシャルLIVEでした。

ギター好きで小沼ようすけクンや荻原亮クンと知り合い
その後LIVEで大槻“KALTA”英宣クンや僕も親しくなった佐々木さんが
2004年にオープンした同店は
その年の11月18日に僕が杮落としのLIVEをやらせていただきました。
まだ自分のCDもリリースしてない僕にとって
いちJAZZ CLUBの最初のLIVEなんて身に余る光栄というか
そんな大役を引き受けいいものかと言う感じですが
そこは若気の至りの力を存分に借りまして
果敢にもあれこれ演奏したのを憶えています。

その日も一緒だった盟友、大槻カルタ君は
ここ数年、横濱Jazz Promnadeの後夜祭的な感じでやっている
「3日目(笑)」スペシャルLIVEなど
KAMOMEのアニバーサリーLIVEの仕切りといえばこの人!のような顔役になっていて
毎度ながらそのお祭り男な名仕切りっぷりには感心させられております。
高校時代の「文化祭実行委員長」の肩書きは伊達ではありません。

彼のバンド“Vertical-Engine”に参加させてもらってる時もそうですが
ステージに乗るミュージシャンの数が多いと
9割がた即興で進行してゆくJAZZという音楽の
次の瞬間の行き先を全員に指示するのはなかなかに大変なことで
それが演奏中、常に両手両足をフル稼働させてGrooveを支えているドラマーならばなおのこと。
もう演奏で使ってないのは顔くらいで
声も届かないステージ上で後ろの方から表情一つで指示を出すのはそれはそれは難しい。

というわけで、気心知れた僕が彼に変わってステージ上の皆さんに合図を出したりしてるのですが
それは一見、演奏中のことは僕が決めているように見えるかもしれないとも思うので
誤解の無きよう、一つこの場を借りてご説明させていただこうかと。笑

リハ中、演奏中、選曲中、ゴハン中(?)、大体一緒に行動をしていると
カルタ君のその日その場のビジョンが見えて来て
特別意識して感じていないまでも
彼の「こうしたい」と思う絵図の主旨が伝わってきます。
それはいつも大抵、音楽が良い方向に進むハッピーなビジョン。

作家と脚本家の役割分担というと言い過ぎかもしれませんが
彼が思い描くビジョンを現場で各人にわかりやすく伝えているのが僕、ということで
プロットをたてているのは彼なのです。本当に。

間違いなく良いと思える行き先が見えるから
「こっちに行けばいいみたいですよ」と伝えられる。
演奏しているときも、していないときも
そんなビジョンの素晴らしさをそこここに感じた
幸せな10周年ライブでした。お疲れ様、大槻カルタ英宣お祭り番長。

オーナー佐々木さんの10年続けた弛まぬ努力
その下で力を尽くしてきたスタッフの皆さん
それに呼応していい演奏を繰り広げてきたミュージシャン
夜な夜なそこに足を運んでくれた皆様

関わった全ての人の気持ちが
共にいい空間と時間を演出してきた10年=3650日だったと思います。
その一員で居られて本当に良かった。

おめでとう&ありがとうございます。
これからもKAMOMEと
そこに携わる全ての人に幸あれ。

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# by ken_ota | 2014-11-17 11:43

14.11.17 美しい人

約2年ぶりに「NOTES」という名のblogを書いてます。
こちらを継続して読んでくださっていた方々には
期待に応えることなく
全然更新しなくてホントにすみませんと、まず心からのお詫びを。

TwitterやFacebookの隆盛に伴い
日々の徒然をそちらで発信することにした、というわけではありませんでした。
Facebookの投稿はTwitterに連動させているので
実質書いていたのはTwitterのみ。
その理由は「140字しか書けないから」。

フランツ・カフカの3つの長編小説 『アメリカ』『審判』『城』 がすべて未完なのは
長編だからという理由だけではないでしょうが
語ろうとするストーリーは長くなればなるほど
その全てを一人の人間の美意識の範疇に納めることの難しさはきっと誰しも感じるであろうことで
書いた後についつい推敲もしてみてしまうblogを書くには
それなりの時間とゆとりも欲してしまうもので。

それがある日突然無くなったというわけでもないのですが
昨年初頭に最愛の祖母が他界して以来
長文を書くこの場に向きあえなかったというのが本当のところかもしれません。

幼少の頃からの思い出の風景にはいつも一緒に居た
家族の喪失をこの歳で初めて目の当たりにしたことで
空虚な大きい穴のような場所を心に抱えることになり
その反動もあってか音楽そのもののことに集中するあまり
自分の活動を言葉で伝えるblogから遠ざかってしまったという
応援してくださっている皆様には申し訳のない
自分なりの理由があったのですが
結果的にはサボっていたことと同じで
一言で言えばやっぱり「すみませんでした」です。

冬にさしかかった秋晴れの今朝
ふと思い立って書いてみるのは、この二日間のこと。
一昨日と昨日の気持ちの高揚は140字では伝えられないので
Twitterに書いた短いコメントの内側を書きたくなりました。
それを見てない方々も居ると思いますが
こちらが本文なので大丈夫です。笑

この週末は土日とも関内「KAMOME」に連続出演しました。

土曜日は僕のQuartet+1。
最近、よくご一緒させていただいている
市野元彦さん(guitar)鉄井孝司クン(bass)則武涼クン(drums)の3人に
ゲストで橋爪亮督クン(tenor sax)を迎えました。

同じ1970年生まれの橋爪クンとは楽器店でバッタリ会うばかりで
一緒にステージに立ったのは今回が初めて。
彼のCDを日頃愛聴している僕はある種ファンのようなところもあるのですが
LIVE中に隣から聞こえて来るというか
そこで彼が吹き、生まれて来る音楽はCDを遥かに上回るもので
僕の曲を一緒に演奏しているのに
その美しさにすっかり聞き惚れてしまっていた
そんな時間でした。

楽屋で、彼がずっと一緒に演っている市野さんとの会話を聞いても
それ以外の何をしている時も
その所作は常に品良く落ち着いた佇まい。
その思慮深さはプレイだけではなく立ち振る舞いからも感じられて
音が発する世界観が身体からにじみ出ているのがわかります。
彼は美しい人だな。そう思いました。

言うこと&すること、と
発する音&生み出す音楽は
同じ一つの心から出てくるので
雰囲気が似て来るのは当たり前なのでしょうが
美しい音は美しい心から。
至極当然なこともすぐ近くで実感するとその思いもひとしおです。

おばあちゃんもそうでした。
いろんなことを優しく教えてくれた
とても美しい人。
記憶は美化されると言いますが
僕の記憶の中のおばあちゃんは
もうずっと、何一つ変わらず素敵な人のまま居続けてくれます。

ライブ後に橋爪くんが最新作のライブ盤をくれました。
全て歌えるほど聞いていた3枚のスタジオ盤の先にある
ライブで生まれたものをリアルに記録したこのCD。
その素晴らしさはあと1000文字使っても書き表す自信がないので
写真を貼っておきます。(続く)

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# by ken_ota | 2014-11-17 10:49

12.12.31 今年もお世話になりました

気がつけば師走。大晦日の朝8時。

こちらも気がつけば、なんと4ヶ月ぶりの更新となってしまいまして
お久しぶりのご挨拶と
本年諸々総じての謝意を共にすることになり
甚だ恐縮ではございますが

今年もたくさんの幸せな時間を共有していただいた皆様
本当にありがとうございました。

この1年、昨日まで出演したライブは208本と
煩悩の数を100上回るくらいの感じでしたが
そのいずれにも多々得る所あり
結果、音もセンスも最も自分らしいと思える姿にシェイプして
そこに揺るがない確信も持てるようになったのは
今年の大きな成果だと思っています。

長く一緒に演奏して来た仲間との信頼関係が創り上げる
絶対的安心感の上での冒険も
新たに共演したミュージシャンから得る
斬新な刺激が見せてくれる未踏の景色も

それらを享受できる場所に居るという幸運に始まり
起こる何かに驚き歓喜する瞬間瞬間は
筆舌に尽くし難き至福の体験で
そんな毎日を過ごしている有り難みは
ひとえに自分は人の縁に恵まれてるのだと思うことしきり。

また来年も
もっともっと多くのシアワセな時間を
皆さんと共有出来ることを切に願って
2012年ラストライブ@御茶の水Naruに向かいます。

年が明けたら名古屋に向かい
正月三が日の1/2・3は名古屋StarEyesでライブ始め。
その直後に横浜&名古屋での“SFKUaNK!!”結成10周年ライブなど
1月からまた盛りだくさんの濃い日々が続きそうで
来年のスタートダッシュに今からわくわくしています。

皆様もどうぞよい年越しを
そして新たな年を無事に迎えられますよう
お祈り申し上げます。

よいお年を & Happy New Year!!


2012年12月31日                太田 剣
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# by ken_ota | 2012-12-31 08:26

12.08.29 次なる音楽の序章は

残暑厳しい日々が続いておりますが
皆様お元気ですか?

朝風呂から上がって薄着のまま朝日の中を
緩やかに流れる川の水に沿って歩いたりすると
それはもうこの上なく心地よかったりして
この季節ならではの良さをあらためて噛み締めたりもしますが
さて出かけようと午後になって車に乗り込むと
そこはまるでオーブンのような灼熱密閉空間。
体感的に最高と最悪というメーター両極への振り切れ方を一日で味わえるのも
夏の凄いところだなと、感心したりしなかったりです。

8月は自分が音頭をとるリーダーライブが8本ありました。

3度目の無伴奏ソロライブ、
音楽の深い淵へもぐってゆくようなハクエイキムとのデュオ、
熊谷ヤスマサ/川村竜/大槻カルタ英宣とのレギュラーカルテット、
石井彰/俵山昌之/池長一美という先輩方を迎えての新しい試み、
西藤ヒロノブというセンス溢れるアーティストとの初邂逅などなど
そのいずれもが心に新鮮に響いて
外へ外へと向かってゆく音が残す足場としての自分の内側に
同じ数だけの新たな音の萌芽がたまってゆく
アウトプットとインプットの自然な流れを経て
明日からのライブにまた新たな自分として臨めるという
音楽的・精神的な充実が嬉しい8月でした。

あと3日を残して8月が終わったような書き方になってしまったのは
明日から9月10日まで続くライブ&ツアーが
下半期スタートダッシュのような気がしているからで
素晴らしいメンバーとの連日の演奏で
この上半期の充実がどう結実するか
正直楽しみで仕様がないという、ハヤる気持ちを抑えきれていないのかもしれません。

8/31(金) 本厚木・Cabin
9/1(土) 柏・Nardis
9/3(月) 名古屋・Star Eyes
9/4(火) 岡山・MO:GRA
9/5(水) 広島・Speak Low
9/7(金) 熊本・KKRホテル
9/8(土) 志布志・Cureo Hall 
9/9(日) 博多・New Combo

太田剣/ハクエイキム/生沼邦夫/大槻カルタ英宣 という
個々に縁もゆかりも深い間柄の4人が揃う初のツアーです。

新曲も携えて、音楽が語る終わりなきストーリーを
毎夜、皆様と共有できるのを楽しみにしています。
ぜひお越しいただければ幸いです。


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# by ken_ota | 2012-08-29 12:48