ここ【NOTES】は前回よりひと月半ほど間が空いてしまいましたが
未だ朝晩は気温も低く春はもう少し先かな?という日々の続くなか 皆様いかがおすごしですか? 僕は元気にサックスを吹いております。 ちょうど昨年の今頃は 東北〜関東に住む多くの人の生命や生活に支障をきたしていた頃で 多くの方が犠牲になってしまったあの忌まわしい3月11日を 今年は平穏無事に過ごし翌朝を迎えられたときは流石にほっと胸をなでおろしました。 しかし今なお避難所生活を続けられている方々や 大切な家族を失った悲しみを抱えながらも懸命に生きている方々のことを思うと やりきれない気持ちでいっぱいになります。 一日も早く被災地が復興し そこに住まう人々の生活が普通のシアワセに満ちあふれることを心から願っています。 自然の脅威はこんなにも多くのシアワセを一瞬にして奪ってしまうのだと そういう大地の上に住んでいるのだということを いま生きる多くの人の心に刻み込んだ1年前の震災では 自宅で生命の危機を感じるほどの恐怖を体験したものの 幸い当日予定されていたLIVE以外なにも失うことのなかった自分は それまでにも増して本当に大切な何かを絞り込み絞り込み これだと信じる道を突き進むようになった気がします。 気づいて、確信して、自分を変える、の繰り返しを重ねて だいぶ前に進んだ実感を得ている今日この頃。 その音を今後のLIVEひとつひとつの尊い瞬間瞬間に その空間に放って確実に残してゆきたいと思います。 3/27(火)は震災直後のツアーファイナルで出演したときから1年ぶりに 自分のリーダーQuartetで横浜・MotionBlueYokohamaに出演します。 今回は相棒、大槻カルタ英宣(drums)に加え Soil&Pimp SessionsやJ.A.Mで活躍する 丈青(piano)&秋田ゴールドマン紀彰(bass)の二人を迎えて かなりスリリングで魅惑的なサウンドになると思います。 きっと僕の想像をはるかに越えた何かが生まれるような気がして いまから楽しみでなりません。 ぜひ聴いていただけたら嬉しいです。 皆様のお越しをお待ちしております。 by ken_ota | 2012-03-16 03:54 #
by ken_ota
| 2012-03-16 03:54
![]() こちら【NOTES】では ろくすっぽ新年のご挨拶も出来ないままに 2月・3月のことも頭をよぎる始末ですが 皆様におかれましてはいかがおすごしでしょうか? たいへん遅ればせながら 旧年中はたいへんお世話になりました。 本年もどうぞよろしくお願い致します。 ここのところの僕はといいますと クリスマスや年越しといった年中行事も絡んでの 連日のライブ三昧ながら 瞬間瞬間を全力で生きて楽しむことに集中しすぎて ひとつひとつの余韻をじっくり噛み締めたり こちらでご報告したりもままならないまま 1月下旬まできてしまいましたが その実、この年末年始には 涙腺にぐっときてしまうような 感慨深いことがありました。 僕が20代後半でジャズミュージシャンとしての人生を歩むきっかけとなったのは 大坂昌彦さんが自身のカルテットにレギュラーメンバーとして迎えてくれたことであるのは間違いなく その少し後に日本に移り住んで来たトミー・キャンベルさんが結成した 日本での自身初のグループにもレギュラーメンバーとして参加させてもらうこととなって この二人の誘いを受けられたという幸運は 音楽を学び成長してゆこうという経験浅く知名度もない新人サックス吹きの僕にとって 望んでもそう簡単には得られない恐れ多くも物凄いことでした。 2001年には大坂さんのバンドで数年一緒に演奏してきたベースの塩田哲嗣さんが渡米。 それに先立ち、当時のレギュラーメンバーで録音したのがCD「Reborn/大坂昌彦」で その後も大坂さんのバンドで2005年くらいまで吹かせてもらいましたが 演奏する上で大切なことの多くは大坂さんの、演奏や言葉で教わったものだと感じています。 トミーさんのバンドでもジャズフェスや各地のコンサートに出演させてもらったりしました。 録音作品がないのは残念ですが、本国アメリカで伝説的ジャズメンから多くを学んだ彼の演奏には 常にスリリングとハッピーの二つが同居していて、この音楽で受け継がれてゆくそれらの伝統を 肌で感じ続けることが出来たことも、貴重すぎる体験でした。 大坂さんのバンドもトミーさんのバンドも 今は全く異なるメンバーでまた新たに先に進み続けていますが 参加し始めたときから数えて、ともに10年強の時間が過ぎた今この時に同じタイミングで 二つのバンドの当時のメンバー全員が揃った「リユニオン」LIVEがあったのは 個人的にとても感慨深いものでした。 ともに発起人はベーシスト。塩田さんは自らの渡米10年を総括し原点を噛み締めるために 高梨道生さんは、若き頃バークリーで一緒に切磋琢磨したトミーさんが 13年の日本での活動に終止符を打ちアメリカに帰国することへのメモリアルとして それぞれ一緒にがんばっていた仲間を全員集めてくれたのです。 集まってみると懐かしいメンバーですが 演奏しているときは、懐かしさよりも 全員の音楽的成長から新たにいまここで生まれている音に集中していて 終わってみると、もっとこのメンバーでの演奏がしたいという気持ちしかありませんでした。 と、同時に、月に何度もこれらのバンドで演奏していたあの頃の自分が 無性に羨ましくもなったり、その頃は精一杯努力していたはずなのに 10年後の自分から見れば、まだまだやれることがあったろうと歯がゆく思えたり。 でもそうして、いまの自分も新たなステージに向かっていることを考えると 10年すごした自分のジャズ人生がとても愛おしく 大切な時間だったなと思えるようにもなりました。 来年や、また10年後の自分が歯がゆい思いをすることのないよう 今年も目一杯、全力で頑張ってゆきたいと思います。 これからもどうぞよろしくお願いします。 【近日LIVE情報】 2/1(水)関内・KAMOME 太田剣Quartet:熊谷ヤスマサ(p)川村竜(b)大槻カルタ英宣(ds) 2/3(金)名古屋・DOXY 太田剣Quartet:熊谷ヤスマサ(p)川村竜(b)河村亮(ds) みなさまのお越しをお待ちしております! 2012年1月 太田 剣 ![]() #
by ken_ota
| 2012-01-25 02:50
11月25日、御茶の水NARU。
石井彰さん(piano)俵山昌之さん(bass)池長一美さん(drums)という 先輩3人を迎えた僕のカルテットでのLIVEは 全てが自由なのに全てがパズルのようにハマってゆく 未だかつて味わったことのないような瞬間瞬間のフックのすさまじさに 先輩方の底知れぬ音楽への洞察力と表現力を見せつけられ これから先に進むべき道への希望すら与えられたと思えるほど 感動したのでした。また再演お願いしたいことこの上ない気持ちです。 11月26日、鹿児島おおすみジャズストリート初日。 一夜明けて飛行機で鹿児島へ。 昨夜の興奮冷めやらぬまま向かった羽田空港で 日野皓正さんバンドで同フェスに出演する石井彰さんや、 5Cats仲間の日野JINO賢二、TheFORCE仲間の須川崇志クンらに再会。 数年ぶりに来た志布志市の町はどこか懐かしく、暖かい気持ちになったな。 その夜は和香園というお茶屋の素敵な蔵でハクエイキムとDUO。 この蔵の響きがまたなんとも素晴らしく、サックスとグランドピアノが織りなす音世界が 内省的に深く広がってゆくような、とても心地よい体験をしました。 いただいたお茶も美味。またぜひ来たい場所です。 11月27日、鹿児島おおすみジャズストリート二日目。 志布志を出発してこの日は鹿屋での演奏。 水辺に設営されたステージは石畳を前に、流れる水路を背にいい空間で 道行く人も足をとめるような、そうだ、円形のすり鉢上に客席があるこの感じ、 デトロイトJazzFes.のJCハードオーケストラを見たあのステージにちょっと似てる。 前夜とは明らかに異なる音空間、こちらでは自分の音の響きの座るポイントをつかむのに 少し手こずったけれど、何かを執拗に求めるその意志は演奏にいい影響を与えていたようす。 聞き終えた方からの音への賛辞は演奏中は予想外のことだったので嬉しかったな。 自分たちの出番が終わって、同会場でのトリ、板橋文夫FITのステージを聞く。 最初の一音から、何もかもが違った。 今まで聞いて来たものではない、それは板橋文夫さんというアーティストが キャンバスに一心不乱に絵を描きなぐるような 時に激しく時に優しく懇切丁寧に、共演する二人の若いアーティストの音を重ねながら とまることなくどんどん表現を抽出してゆく。溢れんばかりの思いを。自分の心の中にあるものを。 自分以外の何かであろうとしない、表現する自分たちがそこで音を出すこと以外の 何物にも左右されない、自らを懸けた強い意志を全力でいまこの瞬間にぶつけてゆく。 人種も、生まれも、国も、場所も、時間も、時代も、何も関係なかった。 そんな素晴らしい演奏をやり遂げた板橋さんは、人間力を大いに消耗してふらふらになりながら ステージを降りたように見えた。 本当に凄いものを、見せて、聞かせていただきました。 ありがとうございます。 11月28日、熊本KKRホテル。 今年2度目の熊本KKRホテルでの演奏。通算3度目。いつ来てもここは最高に気持ちいい。 徒歩1分のところにそびえ立つ熊本城のパワーがふり注いでいるに違いない。おそらく。 ハクエイ君とのDUOはいつも本当に充実しているのだけれど 二人とも前日に板橋さんを体験していることが無関係とは思えない 深く覚悟を決めて音楽に対峙する姿勢で演奏に臨んでいたはず。 そしてそれは当然の如く、自分たちも、そして聞いていただいた方々の心にも 深く強く響いたようで、とても大切なことを教えられたのだと感じた 忘れられない一夜となりました。皆さん本当にありがとうございました。 年内あと少しですが、一日一日、全力で向かいたいと思います。 ![]() #
by ken_ota
| 2011-12-07 01:40
今日はホント暑いなあ、と半袖のネルシャツで悠々と過ごしていたのに
夜はパーカーにショートコートを重ね着しても普通なくらいの温度差がなせるわざか 宇宙にある無数の星をすべて映し出したかの如き 星降り注ぐような夜空をずっと見上げつつ帰宅した今夜は 西麻布AMRTAで小沼ようすけBirthday LIVEでした。 彼のデビューアルバムが発売されて今日で丸10年とのこと。 金子雄太・大槻カルタ英宣・僕の不動のメンバーで 数えたらキリがないほどのLIVEを繰り広げてきた10年。 早いなあと思うよりも前に、一緒に演奏して来たあちこちの風景が 写真のように鮮明に思い出されて感慨深い夜でした。 おそらく5年以上ぶりに演奏した“All for You”。 夏の野外の暑さのせいで最高音のタンポがキーから外れてしまい 全ての音がまともに出ない状態のソプラノで 最後のフレーズの音を気合いと火事場のクソぢからで捻出した 札幌ジャズフォレストのステージのこととか、 演奏するたび思い出します。トラウマを通り越して最早笑える感じで。 最近は、一緒に何かをやり続けることの素晴らしさをひしひしと感じるこのバンド。 小沼クン10年ありがとう。&おめでとう。 11月はのっけから半月ほどツアー続きで関東不在でした。 牧野竜太郎クンと吉岡秀晃さんとのトリオ旅も 奥平真吾さんのTheFORCE旅も 自分の何たるかを見つめなおし、かつ 理想の先にある何かに近づく充実の時間を過ごすことができました。 今の課題は「横から縦へ」。 イメージを端的に言葉にするならこう表現するしかないのですが 「縦」の良さは上下ともに伸びしろがあることです。 それが具象化された姿を今週のLIVEにも持ち込んで より多くの何かを表現することにチャレンジしてみようと思います。 日々の勤労に感謝する祝日の水曜日は六本木ALFIEで井上陽介さん加納樹麻クンとのTRIOで 週末の金曜日は御茶の水Naruで石井彰さん俵山昌之さん池長一美さんとのQUARTETで 初の組み合わせでのLIVE2本、ぜひご堪能ください。 土曜日曜は鹿児島、月曜は熊本でハクエイキム君とDUOでのLIVEをおとどけします。 お近くの方、否、遠くの方も LIVEヘのお越しをお待ちしております。季節柄、お身体ご自愛くださいね。 # by ken_ota | 2011-11-21 04:06 #
by ken_ota
| 2011-11-21 04:06
行かふ年も又旅人也。と芭蕉が詠み
「この旅には終わりはない」と間章が書いたその確信は 3ヶ月更新していなかったこの頁をめくって再び書き始めるにあたって そうなんだよなあとこの空白(ここでの)を総括するにふさわしく 自分の気持ちにしっくりきて心地よいなと感じている 秋の夜長の午後11時です。 ここが空白となっていた3ヶ月間は 巷では最早公用語の如き使われ方をしている新造語「リア充」の日々で 72本のLIVEとその他諸々。 国内・国外問わずいろいろな所へも行き これぞクライマックスと思えるような瞬間を何度も体験し それらを通じて得た自分の中の確信に肉薄してきた気もしていて 次の瞬間こそが待ち遠しい そんな情熱にくるまれて眠る日々です。 スピリチュアルというのは作品が持つ世界観なのではなく アーティストの姿勢を表す言葉なのだと思うにつれ 作品ごとに提示(内包)されるテーマも 演者の歩んだ道のりを越えることは出来ず ゆえにその姿勢こそが最大のテーマなのだろうなと そこに顕れる全ての根源たる自分を見つめなおせば おのずと進み方も音も変わってゆくものだなと。 そんな3ヶ月を過ごせたいま それを糧に明日に進めること 自分を支えてくれた多くの皆様に心から感謝しています。 どうもありがとうございます。 トラックパッドが常に何かをドラッグして放さない状態になってしまったPCも一新し これまで通りの頻度で【NOTES】更新してゆく所存でありますので よろしかったらまた読みに来ていただけると嬉しいです。 かなりおおざっぱにではありますが 3ヶ月の大切な思い出の一部を 写真で追想してみることにします。 ![]() 個性際立つツワモノ揃いのサウンドを射抜くようなウンサンの歌声は衝撃だったな。 ![]() きっと一生忘れない。自分と仲間とまわりの人の力を信じきる気持ちが不可能を可能にした瞬間。 ![]() 街じゅうの人が分け隔てなく様々な音楽を各々の気持ちで楽しんでる姿がとても自然で好きだ。 ![]() 音楽、LIVE、出会い、人生。この旅で教わったことの多さと大切さは計り知れない。 by ken_ota | 2011-10-23 23:45 #
by ken_ota
| 2011-10-23 23:45
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